ドレス小物:ベールについて
ベール(veil)とは、頭部を覆う、薄い布のことです。顔だけでなく両肩や腕まで覆い尽くすことができます。素材はチュールなどがメインです。教会式(チャペル式)ではこのベール、使い方のルールもしっかり決まっていて、ベールがドレスの裾よりも長く、顔を隠すフェイスベールがついたダブルベール形式のもの(上記の写真のものもダブルベールです)が正式とされています。
それとは逆に、短いベールをつけると映えるレストラン式などでは、フォーマルなロングベールより、カジュアルなショートベールをお勧めする場合もあります。
ベールの始まりは古代ギリシャ。
ベールは「清らかさ」を表すもので、指輪とともに悪魔から花嫁を守る大事な魔除けでした。
結婚式の場合、このベールはいちど、ベールダウンという顔を覆う儀式を、静かにおこないます。衣裳着用・メイクやセットの準備が完了しだい、お母様あるいは身近な方にしていただくのです。
このベールダウン、独身の人生にベールをおろす、という意味で執り行われます。だからこそ、身近な方にしてもらうのでしょう。
そのほか、キリスト教では花嫁は夫以外の方には顔を見せない、という風習があります。
反対に、ベールダウンとは逆の(チャペル式進行時におこなう)新郎のベールアップは、他人としての隔たりを取りはらい、身内として迎える、という意味があります。
ダブルベール形式のものが主流ではありますが、マリアベール、フェイスアップベールなどの種類もございます。
セオリーはティアラと組み合わせますが、レストラン式のような、カジュアルな式では、花飾りや花冠、ハットなどとも組み合わせることもあります。こちらは式をおこなう場所によって、映えるところとそうでないところがございますので、よく衣装スタッフと相談されるといいでしょう。