フラップ(雨ぶた):タキシードの上着について(1)
丸で囲ってる部分についてお話しします。
スーツジャケットにも共通する部分ですが、同じ軍服由来のタキシードにも、その名残はあります。
上着のポケットについているフタは「フラップ」と名づけられています。もともとは野外などで、ポケットの中に雨が入らないように作られていたものです。それが今でもデザインとして残っているわけです。
そういう名残はそのほか、ジャケット背中の(背骨部分を走る)縫い目や衿の形にもあったりします。
背の縫い目ですが、当時の技術では一枚布でできなかったため、二枚の布を継ぎ合わせたために、このような縫い目ができたのですが、現在この問題はクリアとなっています。それなのに今もその縫い目があるのは、名残をあえて見せるため、とのことです。
また、衿にある、社章をつけるために開けられた穴のことを「フラワーホール」といいます。これはもともと、花をさすためにつけられた穴です。