フロックコートについて

D592a

イギリス名:Frock Coat
アメリカ名:Prince Albert coat

新郎様のタキシードの種類のひとつ、というイメージのほうが強いですが、昔はそうでもありませんでした。

といっても、タキシードの歴史の中でフロックコートは、比較的歴史は浅い部類。

もともとは、19世紀なかばから、20世紀初めにかけて使用された昼間の礼服です。やはりタキシードなので、ダブルブレストで黒色のものが正式とされ、フロックコートとシャツ、ベスト、ズボン、ネクタイで一揃いとします。

ですが、およばれやパーティでの礼装としては時代は短く、その後モーニングコートへと移り変わってきました。

ちなみに・・・一口メモ。

ダブルブレストの上着の起源はポーランド軽騎兵・ウーランの服装。乗馬の際に風が入らないように前合わせがダブルで襟が高くする必要があったため、この構造になったと言います。つまり、騎兵の衣装なのですから、もともとこれらは軍服だったということになります。

それが時代とともに、服装として地味な色が流行だったイギリスに広がったのです。そして濃紺や黒のものが19世紀中頃に男性の昼礼装となったのです。